「デュランしゃぁんっ!!」
「………シャルロット?」
急に意識がハッキリし、周りの暗闇も少しだけ明るくなった。
ここはどこかの牢屋…どうやら今のは夢だったらしい。
「デュ、デュランしゃん……やっとおきたでち…」
よく見ればデュランはその場に横たわっていて、すぐ近くで正座しているシャルロットの頭に手を乗っけていた。
シャルロットは夢の中の妹の様に泣いていた…デュランはそのまま頭を撫でる。
「ぜんぜん、おきないから…こわかったでちぃ…!」
「ごめん、心配かけたな。もう大丈夫だ…」
「な?大丈夫だって言っただろ、お嬢ちゃん♪」
突如会話に入ってきた聞き慣れない第三者の声。
声のほうへ視線を向けると、向かい側の牢から飄々とした青年がにこやかにこちらを見ていた。
「あんたは…?」
「おれの名はホークアイ、ちょっとドジってビースト兵に捕まってね。脱出するタイミングを測っていたらぐったりしたキミたちが運ばれてきたんだよ…」
「っ!そうだケヴィンは!?怪我してただろ!」
「ケヴィンしゃんならここでち!」
シャルロットの指差す先を目で追うと、正座している彼女の膝を枕にしたケヴィンが静かに眠っていた。
「……あれ?怪我は??」
ケヴィンはフルメタルハガーとの戦いで傷を負い、その後すぐに高所から落下したので確実に悪化していると思ったが…傷は綺麗に無くなっていた。
いくら半分は獣人の血が流れているケヴィンといえどこんなに早く完治はしないのでは…そう思っているとホークアイが口を開いた。
「そ、れ、は…そこのお嬢ちゃん、シャルロットが治したんだ♪」