フルメタルハガーは名前の通り硬く、簡単には防御を崩せそうにない。しかしこちらの攻撃は少しずつでも確実に効いている。
光魔法を唱える暇を与えず、光りのビームを避けながら戦うという持久戦に持ち込めば勝てない相手ではないが…。
「いたぁっ!」
体力を消耗してきたシャルロットが、フルメタルハガーの攻撃を避けた際に転んでしまった。
「危ないっっ!!」
「!?」
体勢を立て直そうとしたシャルロットに光りのビームが放たれ…とっさに庇ったケヴィンはビームが命中し、その衝撃で水の中へ落下した。
「デュ、デュランしゃん!ケヴィンしゃんが…!」
「…嬢ちゃん、なんとか下に降りてケヴィンを引き上げてくれ」
「で、でも、デュランしゃんひとりじゃ…」
「こんくらいオレ一人で充分だ。ほら、ケヴィンを頼んだぞ!」
「は、はいでち!」
シャルロットは足元に気を付けながら下の岩場まで降りて、ケヴィンを探す。
「ケヴィンしゃん、どこ……」
辺りを見渡しても見つからない…ビームが当たった時に気絶してそのまま落ちたのでは、と悪いほうへ考えしまう。
(もしかしてみずのなかにしずんで……どうしよう…シャルロットおよげないでち……け、けどそんなこといってるばあいじゃ……たすけなきゃ!)
「シャルロット、こっちこっち!」
「あっ!ケヴィンしゃん!!大丈夫でちかっ?おぼれてないでちか!?」
岩影からケヴィンが顔を出してるのが見え、シャルロットはほっとして水に入れようとした足を引っ込めた。
「心配ない!オイラ丈夫、泳ぎも得意」
「よ、よかったでち…」
「あの魔物も、もう少しで倒せそうなのに目の攻撃が邪魔でとどめをさせない」
「……シャルロットにかんがえがありまち」