「…さっきのジャンプ、バネクジャコを使ったのか!?」
「そう!すぐそこの岩場に生えてるの見えたから取ってきた!」
ケヴィンは足元に置いたバネクジャコの頭をぽふっと撫でる……お礼のつもりでやったのだが、バネクジャコはその反動でバネを全開にし…何気に目つきも悪くなった。
「あれ?怒ったかな??」
「わかんねぇけど…一応、元の場所に返してやろうぜ?」
「うん!オイラ返してくる!」
「…キノコのくせにおこるなんて…なまいきで、ち」
「おっと!」
今の戦闘で魔法を使いすぎたのか、ふらっと倒れそうになったシャルロットを近くにいたデュランが支える。
「大丈夫か?」
「ご、ごめんちゃい…」
「謝ってる場合じゃないだろ………ほら、これ食え」
デュランは魔法のクルミを割ってシャルロットに渡すと、今度はぱっくんチョコを取り出した。
「ぱっくんチョコはいいでち!もったいないでちよ!」
「何言ってんだ、おまえ自分にはろくにヒールライト使ってないだろ?ずっと後回しにして…」
「シャルロットはあんまりケガしてないでちもんっ!デュランしゃんたちにヒールライトするのがふつうでち」
「……確かに苦戦したぶん無理させちまったよな」
デュランとケヴィンはバイゼルでシャルロット用に新しいローブを購入した際、自分達もそれなりの装備品を揃えていた。だがツェンカーにはだいぶ苦戦を強いられ…おまけに鋭い爪や風魔法によって新しい防具にもダメージが入ってしまった。
(自分の事なら修行になるって割り切れるけど……仲間にギリギリの戦いをさせるのは違うだろ…)
【デュラン、そう思うのならクラスチェンジを試してみる?今のあなた達ならできるかもしれないわ】
(え…?)
【ジンさんも助けることが出来たし、戻る前にマナストーンのところに行きましょう!】