賢者ドン・ペリはいたずら好きの変り者で、直接会話して本題に入るのにだいぶ遠回りをさせられた。
「からかって悪かったが、コレばっかりはやめられん……ぷぷぷ…!」
「………いや、人間嫌いだって事前に聞いていたしな。それにこっちもコロボックルのフリをして悪かったよ」
「おや?おぬし、青筋を立てながら謝るなんて器用じゃなぁ!さすが聖剣の勇者じゃ!」
「おう、オレが勇者じゃなかったら叩き斬ろうとしたかもしれねえ。運が良かったなジイさん」
「デュラン抑えて…目、据わってる」
「カッカッカ!スマンスマン!」
何はともあれローランド城を奪還する為の知恵は得ることができたので、デュラン達はコロボックルの村を後にした。
「純粋な人間は己のみだというのによくやっておる………聖剣の勇者とその仲間、幸運を祈るっておるよ」