しばらく街の中を聞き回り、夜にしかやっていないブラックマーケットが怪しいとふみ…一行は宿屋にて休憩を挟んで赴くことにした。
「いいか?今から向かうのは普通の市場じゃない。自由行動は禁止だ、くれぐれもはぐれないように……っ?」
ぎゅうぅぅぅぅぅっ!!!!!
「…シャルロット、はぐれんなとは言ったけど別にしがみつかなくてもいいんだぞ?」
片足に重みを感じて下を見ると、顔面蒼白のシャルロットがデュランの足をがっちりフォールドしていた。
「ゆゆゆ、ユーレーなんて、い、いないでち!」
「ユーレー?」
「そこの家、昼間は人がいないのに夜になると物音するから、幽霊がいるって話聞いた。シャルロットそれで怖がってる」
「……どう見ても普通の家だぞ?仕事とかで昼間は留守にしてるだけだろ」
「そそ、そうでちよ!ただのおるすでち!こわくないでち!」
(…まあ幽霊の噂ならオレも聞いたけど)
【デュラン!シャルロットが怖がるから、余計なこと言っちゃダメよ!】
情報集めの際に聞いた幽霊船の噂話を思い出したデュランだが、フェアリーに釘を刺されたので心の中にしまっておくことにした。