「い、いだいでち…」
「オレもこの大砲移動には慣れる気がしねえよ……」
ローラントのアジトを飛び出していったシャルロット達は外にいたアマゾネスに呼び止められていたため、デュランとフェアリーはすぐに追いついた。
聞けばそのアマゾネスは『メルシー』という名前で、ボン・ボヤジのいとこ。
デュラン達は彼女に頼んで商業都市バイゼルまで飛ばしてもらった…お馴染みの大砲で。
『私は打ち上げる時の大きい音に慣れないわ。いつもびっくりしちゃう』
「オイラは大砲の音より…シャルロットの足の早さ、びっくりした」
「勢いすごすぎてそのまま引っ張られてたもんな〜」
「まいったかぁでち♪」
体力が少なく山登りもへばってしまうシャルロットだが、意外とダッシュは得意。
どちらかといえば短距離向きなのかもしれない。元々攻撃の際は魔法ではなく近距離戦をこなしているのだから、しっかり鍛えれば割りと強くなるのでは……と。
【ほーら!ちびっこハンマーを探すわよ!】
目的とは関係のないことを考え出したので、フェアリーはすかさずデュランの中へ戻って頭に声を響かせた。