「……本当に、お願いしてもよろしいんですか?」
「さっきも話したが…オレ達はマナストーンを探しているから手伝わせてくれないと困るんだ。風の回廊の風神像はローラント城に行かないと止められないんだろ?」
「で、ですが……あんなに幼い女の子を連れているのに…」
「シャルロットはああ見えて逞しいから大丈夫だよ。それに年だって、オレ達とそんな変わらないぞ?」
「えっ?そうなのですか??私はてっきりエリオット……私の弟くらいの年齢かと思いました」
「オレも最初は、自分の妹くらいかと思ったよ」
「あなたもご兄弟がいらっしゃるのですね」
「…それもあってさ、ついアイツを子供扱いしちまうんだよな。妹みたいに見えて……そんでオレもケヴィンもよく怒られてる」
「そう……仲良しなんですね、お仲間とも妹さんとも…」
他愛もない話をしながら、ローラント王国への協力を受け入れてもらい…デュランは仲間の元へ戻った。
「ふわぁ~……よくねたでち」
「うん、シャルロットぐっすりだった」
「ねむりそうのハナってすごいんでちねぇ…」
「お、シャルロットも起きたな」
「デュラン!お礼できそうか?」
「おう、出発するぞ」
「しゅっぱつってどこにでち?」
「商業都市バイゼルと、ラビの森だ」
ローラント城をナバールから取り戻すためには、コロボックルという種族の賢者ドン・ペリに知恵を借りるしかない。
コロボックルの村は以前デュラン達が聖都ウェンデルに向かう際に通った『ラビの森』のどこかにあるといわれている…。
「だがコロボックルは大の人間嫌いで、まともに会ってはくれないんだとよ」
「わがままでちねー!スキキライがおおいとおっきくなれないでちよ!」
「おまえが言うと説得力あるな…」
「シャルロットがちいさいのはカンケーないでちっ!!」
『デュランからかわないの!…でも実際、コロボックルは人間より小さいのよ』
「じゃあ、カールくらいか?」
「いやウルフの子供より……そうだ、ここに来る途中ケヴィンが『ちびっこ』って状態異常になったろ?アレくらいだと思うぜ?」
「うっ、アレかぁ…」
『それでね……あなた達も同じくらいの大きさになって、コロボックルのふりをすればドン・ペリさんが助けてくれるかもしれないって!』
「アウゥ!!?オイラまた『ちびっこ』になるのか!?」
「ソレはいいかんがえでちね!!さっそくチビデビルをつかまえにいくでち!」
「うわーん!!シャルロット待ってぇぇぇ!!!」
山道でチビデビルを探そうと思い立ったのか、シャルロットはケヴィンの手を引っ張ってアジトの外へ向かってしまった。
『ちょっとぉ!!話はまだ終わってないのよ!』
探すべきなのはチビデビルではなく、使うとちびっこ状態になれる『ちびっこハンマー』という秘宝……商業都市バイゼルにあるという話だ。
『二人を追うわよデュラン!』
「んー、でもよぉ……シャルロットの言うようにチビデビルを取っ捕まえたほうが早くないか?」
『捕まえたところでどうやってちびっこ風船を使わせるのよ!?』
「あ、そういやそっか」