船を降りた一行が目にしたのはナバール盗賊団に占領されたパロの港街だった。
「なんでちかあいつら!せっかくシャルロットのしんいしょうのおひろめなのに!」
さっそく新しいローブを着て意気揚々としていたシャルロットだったが早々に不満げな顔になる。
【とにかくマナストーンの情報を探しましょう…でも、あまり目立っちゃダメよ?】
「わかってるよ……シャルロット、ケヴィン、盗賊団の奴らに絡まれないようにな」
「ウン、行こうシャルロット………危ないから睨むのダメ」
「にらんでないでち。なーんかヘンなかんじがするから、みてただけでち」
「オイラも思った。あの匂い正気じゃないから、危ない…」
「ちょっ、あるきにくいでちよ!」
ケヴィンはシャルロットをナバール兵から隠そうと両肩を押して自分の前に来るように促し、デュランの後に続いた。
いつもより大人しくしながら街を回り、いくつかのそれらしい情報は得られた。
「山の上にローラント城。その途中にある『風の回廊』…陛下が言ってた精霊がいるかもしれないな」
「うぅ~…とざんでちか…」
「山登り楽しそう!頑張ろうシャルロット!」
あの様子の街に長居するのは危険だと考え、三人は宿には泊まらず風の回廊を目指すことにした。