「ヒールライト!…ほい、つぎ!」
「お嬢ちゃん、こっちのやつにもかけてくれ!」
「おやすいごようでち!」
英雄王との話を終えた三人は、フォルセナ城で怪我人の手当てを手伝っていた。
特にシャルロットのヒールライトはおおいに頼られ、重症をおった者を次々と救った。
「ヒール、ライト………ふぅ、つぎは…」
「もう終わり」
「どひゃっ!?…ケヴィンしゃん?」
いつのまにやってきたのか、先程まで離れたところで作業していたケヴィンがシャルロットを抱えあげている。
「ちょっとなにするでちか!おろすでち!」
「降ろしたらヒールライト使おうとするからダメ。重症だった人達はもう大丈夫、シャルロットも休んだほうがいい」
「まだへーきでちよ…」
「平気じゃない、シャルロット疲れてる。それにデュランが泊まれる部屋貸してもらったって呼んでる」
「な、なら『きんのめがみぞう』においのりするでち」
「女神像があるの外!そのために行ったり来たりしてたらもっと疲れる…」
「うぅ~………じゃあせめて、おんぶにしてくだちゃい」
「え??」
抱えられたままのやりとりを微笑ましく見守る周りの視線に耐えられなくなったシャルロットは、おんぶに変えてもらいケヴィンの背中で顔を隠した。
「シャルロット、オイラに抱っこされるの嫌か?」
「だっこされっぱなしでちゅうもくされるのは、さすがにイヤでち」
「デュランにはおとなしく抱っこされてたのに…」
「さっきとはじょーきょーがちがうでち!」
「オ、オイラよくわからない……」