ケヴィンは突進された際に岩壁で頭を打った様で、いまだ起き上がれずにいた。
「ヒールラィっ!!?」
今度こそヒールライトを唱えようとしていたところ…突然片足にジュエルイーターの舌が絡まり、ケヴィンの側でしゃがんでいたシャルロットは前のめりに倒れそのまま強く引っぱられる。
「うわぁぁん!!!シャルロットはたべてもおいしくないでちぃぃぃ!!!!!」
「このモグラ野郎!!オレの剣を無視してシャルロットを狙うんじゃねえっ!!!」
ジュエルイーターの前足を攻撃をしていたデュランは狙いを舌へと変えるが、表面が硬いのか斬りつけても手応えが無く怯む様子もない。
それでもシャルロットは抵抗しようと、地面から突き出ている岩をひっしに掴んで耐える。
「シャ、ルっ………オイラ…助ける…」
ケヴィンは痛みをうったえる己の体を叱咤するように無理矢理立ち上がり、ふらつきながらシャルロットの元へ向う。
「ケヴィンしゃんっ!」
左手は岩を掴んだまま、シャルロットは右手をケヴィンへと伸ばした。
「だい、じょぶ……今…」
「ヒールライト!!」
ケヴィンもシャルロットへ手を伸ばした瞬間、癒しの光がケヴィンの怪我を治した。
「シャル…ロット…?」
ヒールライトを唱えることに集中したため左手に込める力が足らなくなり、両手を離したシャルロットは引き摺られていく。
(手…掴めなかった………違う……シャルロットはオイラを、助けた…)
シャルロットが伸ばした手は助けてほしいという意思ではなく、ケヴィンに回復魔法をかけるためにかざした手だったのだ。
(こんなの、だめだ……カールの時と、同じにはしない………オイラ……トモダチ守るっっ!!!)