第12話『シェイドの刻・地底の戦い』


「けっこう深くまで来たな…どんだけ広いんだここは」


「マモノもおおくて、たきのどうくつよりもたいへんでち」



ドワーフというのはよっぽど逞しい種族なのか……そう考えてしまうほど、トンネルの奥は魔物だらけ。

滝の洞窟と同様にゴブリンやバットムもいるが、さらに凶暴なゴブリンロードが焚き火をかこって豪遊していたりと…精霊がいるにしてはめちゃくちゃな場所だった。




「シャルロット大丈夫か?ヒールライト使いすぎて疲れたら、またオイラおんぶするぞ!」



「え!じゃあ、おことばにあまっ……うへぇ!!?」


「ん?なに??」


「ケヴィンしゃん!カオのいろがとんでもないことになってるでち!!」



本人はけろっとしているが、どうやらスライムを殴り倒した際に毒をもらったらしく顔色が明らかに悪かった。


「我慢強すぎて毒のダメージに気付かなかったのかよ……ほらこれ」


「ありがと!」


状態異常を治す一種の万能薬『プイプイ草』をケヴィンに渡し、デュランは辺りを見回した。




「お!見ろよ、金の女神像がある」


「こんなマモノだらけのところにもあるんでちね…」


「精霊を守り神として崇めてるくらいだし、ドワーフは信仰心が強いんだろうな」


【デュランとは大違いね】


「フェアリー蒸し返すなって…」


「今フェアリーに怒られたか?もういっかい怒られないうちに早くお祈りしよう!」




金の女神像に祈って一息つき、ワッツを探すため再び歩みを進める。



「デュランこれ返す!お祈りしたら毒消えた!」


「ん?いや一応持っとけよ。また毒とかくらった時に…」


「いまちた!ワッツしゃんでち!」


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