(……何か、焦げた匂いする)
アストリアの宿屋に運んだ女の子が目を覚ましたのを確認したケヴィンはすぐに滝の洞窟へ向かったが、デュランと同じく結界に跳ね返されてしまった。
今からアストリアに戻って宿屋に行くのもなんだか恥ずかしい……そう思ったケヴィンはラビの森の奧に潜り、木の上で一晩明かそうとしていた。
(……燃えて、る?)
しかし焦げた匂いが鼻をかすめ、まだ暗いうちに目を覚ましたのだ。
匂いの元を見つけようとさらに木の上に登ると、アストリアが燃え上がっているのが目に入った。
(な、なんで、アストリアが………っ!あの女の子は!?)
自分が運んだ女の子には宿屋でそのまま泊まるように促した…だとしたら…。
(あの子、危ない!!)