「紅蓮の魔導師……今度あったら必ずっ!」
魔物だらけになった城内を走り…謁見の間に辿り着くと紅蓮の魔導師が英雄王を魔法で拘束していた。
間一髪のところにデュラン達が割り込んだため、英雄王の命を奪われることは回避できたが紅蓮の魔導師はアルテナ兵を引き連れ立ち去ったのだった。
「国王陛下!お怪我は……シャルロット頼む!」
「はいでち!」
「デュラン、戻っていたのか…この者達は?」
「共に旅をしている仲間であり、私の友人です」
シャルロットはさほど気にしていないがそれでも慎重に魔法の詠唱を始め、ケヴィンは自分の父親とだいぶ違うがそれでも威厳が漂う英雄王に緊張し……そしてなにより、普段の雰囲気を消してとても礼儀正しいデュランに二人とも驚いていた。
(ぎょえーっ!あのデュランしゃんが、びしっとしたたいどで『わたし』とかいうなんて!!)
「……………陛下、お話が…」
まじまじと己の顔を凝視している様子に、何を考えているのか分かったデュランはシャルロットをヒョイと抱えて後ろのほうに下げ……自身に憑いているフェアリーを呼び出した。