ドン・ペリの策は、風の精霊『ジン』の力を借りて眠りの花畑の花粉をローランド城へむけて飛ばし、ナバール兵を一網打尽にするということ。
ジンがいる風の回廊は風神像が邪魔をしていて入れないのだが、ドン・ペリは風が乱れたと言っていた……何があったのか確かめるためにも、一行はもう一度ローランド山の風の回廊に向かうが…。
「風神像が……壊されたのか?」
『ドン・ペリ様が言っていたように…誰かが風の精霊を狙っているのかもしれない』
急いでジンを見つけなければと、奥へ進んでいくと入り口を塞いでいた物以外にも風神像はいくつか配置されており、そのどれもが強風を放っていた。
「こいつらの向きを変えて進めってドン・ペリは言ってたよな、そうなると仕掛けをいじって謎を解いて……面倒くせぇぞこりゃ…」
「だけど強風があると進むの大変…………シャルロット、大丈夫か?」
「えっ?だいじょぶでちよ?」
「…なんか飛ばされそうで心配……オイラおんぶしようか?」
「おんぶしなくてもヘーキでち!ふたりをカベにしてすすむでちから!」
「そ、そうか」
「まあそのほうが安全だな。奥には魔物もいるみてぇだし……お!あんなところに宝箱が…ってなんだ?アレ」
崖側に面したところに宝箱を見つけたデュラン…その近くいるのは丸くて黄色い物体。
「あぁー!バネクジャコでち!!」
「バネクジャコ?…たまーに森とかで生えてるやつか?」
「オイラ初めて見た!月夜の森にはこんなのいない!」
「ケヴィンしゃんあぶないでちよ!そいつをふむとビヨーンって!とんでもないところまでとばされて…」
ーピョン!
「うわぁ!本当だ!こいつすごいなー!」
ケヴィンはバネクジャコを踏んで高く飛び跳ねると、くるくると回りながらシュタ!っと両足で簡単に着地した。
「……シャルロットのときはウェンデルからアストリアあたりまでとばされたのに…」
「あー、ほら…バネクジャコって確かキノコみてぇなもんだから、きっと腐ってたんだよソイツ」
「よっと!宝箱の中身とってきたよー!」
こちらの進行方向の邪魔にならないならないよう風神像を動かし…少し進むと今度は二体の風神像が邪魔をしていて、また像の向きを変える為の仕掛けを探して……それを繰り返しながら先を目指す。
しかも厄介なことに出現する魔物は強風の中でも平気で飛んでくるハーピーや、風の流れに便乗するかのように毒のブレス攻撃をしてくるゾンビ達ばかりだった。
さらに風の影響で力が発揮できず、いつも以上にシャルロットの回復に頼って戦い……そろそろキツくなってきたところで金の女神像を見付けることができた。
「これでシャルロットのまりょくもかいふくしたでち♪さあ!ジンしゃんのところにレッツゴーでち!」
『シャルロット、回りが崖なんだから走っちゃダメよ!』
「なんでちかフェアリーしゃんまでシャルロットのほごしゃみたいなこといって……あ!」
金の女神像から先の道を進むと洞窟の入り口があり……その奥にきらきらとした光が見えた。