第13話『地上へ帰還、空へ』


「ん?きみたちゃ誰だ?ワシは研究で忙しいんじゃが…」

「っ!…夜におしかけて来たからあんまり文句は言えねえが、忘れちまうとは随分じゃねえか」


「ホントにわすれちゃったんでちか?ひるまきてからそんなにじかんたってないでちよ?」


「んん?昼にも会ったか……はて?」



「アゥゥ…か、火薬っ!」



「おおっ!そうじゃったそうじゃった!!忘れた事などなかったぞ!」



(ったく、調子のいいオッサンだぜ…)


「で、その火薬が何でしたっけ?」


「………………」

ースラッッ!!

「デュ、デュラン!待って待って!」


「こんなオヤジでもいっぱんじんはきっちゃまずいでちよ!」



無言で剣を抜いたデュランに仲間達が慌てたことでボン・ボヤジもさすがにうろたえだした。


「あ、あれじゃな?ワシの『大砲2号君』の…よ、よし!裏庭に行ってくれ!」



また名前が変わっていることにはこの際つっこまず三人はボン・ボヤジ宅の裏庭に行き、言われるがまま設置してある砲台に乗り込んだ。



「フォルセナまで飛ばしてやるぞ!準備はいいかな?」



「…一応聞いておくけど、安全性は確かなのか?」


「風よ~し!方向よ~し!」


ーガコンっっ!!!



準備はいいかと聞いておきながらデュランの質問には答えず、ボン・ボヤジは砲台の蓋をしめてさっさと点火したのだった。

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