「ん?きみたちゃ誰だ?ワシは研究で忙しいんじゃが…」
「っ!…夜におしかけて来たからあんまり文句は言えねえが、忘れちまうとは随分じゃねえか」
「ホントにわすれちゃったんでちか?ひるまきてからそんなにじかんたってないでちよ?」
「んん?昼にも会ったか……はて?」
「アゥゥ…か、火薬っ!」
「おおっ!そうじゃったそうじゃった!!忘れた事などなかったぞ!」
(ったく、調子のいいオッサンだぜ…)
「で、その火薬が何でしたっけ?」
「………………」
ースラッッ!!
「デュ、デュラン!待って待って!」
「こんなオヤジでもいっぱんじんはきっちゃまずいでちよ!」
無言で剣を抜いたデュランに仲間達が慌てたことでボン・ボヤジもさすがにうろたえだした。
「あ、あれじゃな?ワシの『大砲2号君』の…よ、よし!裏庭に行ってくれ!」
また名前が変わっていることにはこの際つっこまず三人はボン・ボヤジ宅の裏庭に行き、言われるがまま設置してある砲台に乗り込んだ。
「フォルセナまで飛ばしてやるぞ!準備はいいかな?」
「…一応聞いておくけど、安全性は確かなのか?」
「風よ~し!方向よ~し!」
ーガコンっっ!!!
準備はいいかと聞いておきながらデュランの質問には答えず、ボン・ボヤジは砲台の蓋をしめてさっさと点火したのだった。